最初で最後の手紙

世の中には、自分の意思ではどうにもならないことがある。
それを、身を持って知った。

昨日、彼から最初で最後の手紙が届いた。

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久しぶりです
はじめての手紙がこんな形になってしまいました
僅か27年の生涯を子供は閉じてしまいました
それも自らの手で幕を下ろしたのです
父親としてどう対応したらいいか パニック状態でした
側にいたら防げたのでしょうか
悩みを聞いてあげれたでしょうか
子供が悩んでいる時期 私は自分の幸せだけを考えて生きてました
父親失格ですよね
離婚したときに失格でしょうけど
どうしても自分自身が許せません
自分の結婚なんて考えることはできません
子供の側にいてあげたいのです
これからの人生を子供の冥福を祈りながら過ごしていきたいのです

貴方との約束を守れなくて申し訳ありません
お父さん お母さん 兄弟のみなさん 申し訳ありません
この手紙が届く頃には 愛知県にいると思います
○○(私)さん あなたは良い奥さんになれます
きっとなれる人です
私が保証します
再び会うことは無いと思いますが
ご家族の皆様といつまでもお元気でお過ごしください

                        平成24年3月10日(土)
                        (彼の氏名)


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最悪の事態に、身体の震えが止まらなかった。
差出人欄は彼の名前だけで、住所は書かれていなかった。
一昨日、意を決して電話してみたけれど、すでに繋がらなかった。
会社支給の携帯電話だったから、恐らく会社を辞めて、
すでに返却したあとだったのだと思う。
彼は何も残さず、一人で行ってしまった。
私には彼を追う手だてが何一つ残されず、サヨナラさえ言えなかった。

私に言わせれば、彼からの一方的な婚約解消。
でももし最後に会えたとしても、彼の決心が固いなら、辛くなるだけ。
息子さんの父親として全うしたいという彼を、
私には責めることも引き止めることも出来なかったと思う。
これでよかったのだ、と思って、受け入れていくしかないんだ。
何だか出来すぎたドラマみたいで、急には信じられない。
どこか他人事のようで…。
でも、ふっと我に返ると、それは現実なんだ、と。

実は一昨日の朝方、彼が夢に現れた。
何も言わず、黙っているだけの彼に、私はしがみついて、ただ号泣するしかなかった。
妙にリアルな夢だと思ったのは、きっと私にお別れを言いに来てくれたのだ、と。

手紙を読んで、涙があふれる中で、ふと、
2時間ほど前に差し出したばかりの封書が気になった。
一足、遅かったのだ。
慌てて涙をぬぐい、郵便窓口へ電話するも、話し中。
そのまま家を飛び出した。
窓口に駆け込んだが、すでに便は出ていた。
取り敢えず、差し戻し請求をして、帰宅。
相手に転送されて届いたっていいじゃないか.
一瞬、そうも思った。
けれど、元奥様との同居はしないにしろ、
元奥様の目に触れる恐れのあるものを、もう、届けるワケにはいかない。
彼のため、というより、私のことを元奥様に知られたくなかった。

前を向いて歩いていかなければ、という気持ちはあるけれど、
突然、彼と描いていた将来をもぎ取られてしまった今は、
何をどうしていいのか、わからない。

モノ笑いの種だな。
まるでピエロ。
私、バカみたい。

幸せに、なりたかっただけなのに・・・。

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by fujimal_love | 2012-03-13 09:36 | 回想録


大丈夫。まだまだ、これから。


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